何が違うの?コーヒー精製方法

こんばんは!つくば市並木ショッピングセンターにある自家焙煎コーヒーとイタリアワインの専門店
フレスタプラスあらの珈琲 焙煎人荒野です。

今月限定で再びコスタリカイエローハニーコーヒーを販売開始しました。
オンラインストアはこちらから!



そこでこういうお問合せがありましたのであなたにもシェアしますね。
コスタリカコーヒーの「ハニープロセス」と「パルプ・ド・ナチュラル」って
何が違うの?


その部分だけを語ってもたぶん???ですので

これは全部で4種あるコーヒー豆の精製方法を知らねば!

そこで精製方法って何?を解説する前に、、、、、

そもそもコーヒー豆ってどうなってんの?っていう話です。



“コーヒーノキ“と呼ばれる大きな木が約2~3年で成長し真っ赤な実を実らせます。

それはサクランボに似ていて“コーヒーチェリー”と呼ばれます。

そしてこのコーヒーチェリーの中に入っている種子がコーヒーの生豆です。

そしてそして、コーヒーチェリーの中身から種子を取り出す作業を精製といいます。

※「コーヒーノキ」に生ったコーヒーチェリー


その精製方法も4種類あります。


① 非水洗処理方法 (ナチュラル)
収穫したチェリーをそのまま乾燥しその後に脱穀し中から生豆を取り出します。
【収穫→コーヒーの実をそのまま乾燥→寝かせる→脱殻機にかける→生豆】

『特徴』ポジティブ要素
・大量の水を使用しない。・環境に優しい。・独特の甘み風味が出やすい。個性が出やすい

『特徴』ネガディブ要素
・気候に左右されやすい。・異物が混入し欠点豆が増えやすい。クリーンさ均一さに欠ける

当店でいうなれば「ストロベリーモカ」「アラビアン モカマタリ」


② 水洗処理方式(ウォッシュド)


水洗処理方式。ウォッシュドと呼ばれる精製方法です。ナチュラルとの違いは乾燥させる前に水で洗い流します。
何を洗い流すかというとミューシレージと呼ばれるヌルヌルした粘液質です。
これを洗い流すのでウォッシュドと呼ばれます。

【収穫→果肉除去機(パルパー)で外皮と果肉を取り除く→ヌルヌル粘液を取り除く→乾燥させる→寝かせる→脱殻機にかける→生豆】


※コーヒーまめの断面図から名称解説



『特徴』ポジティブ要素
・見た目クリーン、均一性がある・欠点豆が少なく質が高い。

『特徴』ネガディブ要素
・水を大量に使用するため、設備が整った地域でないと難しい。・排水による汚染。

ウォッシュドの一番の強みは、大量の水を使い、粒の揃った綺麗な豆が精製しやすいこと。
ウォッシュドのコーヒーはナチュラルと違い、クリーンな酸があります。スッキリ系ですね。

当店でいうなれば グァテマラ、ケニア、コロンビア等 ウォッシュが一番多いです。


③スマトラ式

スマトラといえばインドネシア諸島にある島のひとつ。マンデリンの産地です。
そんなマンデリンの独特の味わいを作り出している要因のひとつがこのスマトラ式と言われる精製方法です。
他3種の方法ではパーチメントといわれる生豆の殻がついている状態で乾燥を終わらせます。(お米でいうところの玄米みたいな状態)通常はこれを脱穀して生豆となります。

↑の図を参考にして
写真でいう下がパーチメント(殻)がついた状態の豆。
これが乾燥⇒脱穀後、上の3つにわかれるわけです。(右上の薄い皮はシルバースキンといわれる生豆を
覆った薄皮。)

がしかし!
スマトラ式は乾燥が終わり切る前に脱穀してしまいます。

そして「生豆の状態で乾燥させます」

なので、殻に守られておらず、形がいびつだったり、深緑色をしています。カビが生えることもあります。
もともとは、雨期のあるインドネシアで乾燥期間を短縮する為にこの方法をしていたそうです。

生豆の状態は見るからにウエッティ!

順番は【収穫→果肉除去機(パルパー)で外皮と果肉を取り除く→乾燥させる→半乾きの状態で脱穀→再び乾燥→生豆】

酸味穏やか、濃厚なコク、独特な風味 これがスマトラ式の特長です。



④ パルプドナチュラル


いよいよ今回の質問の核心であるウォッシュドとナチュラルの中間のようなパルプドナチュラルの紹介です。

どの辺が中間かというと、ウォッシュドのように果肉を除去するが、ミューシレージ(ネバネバの粘液)
を残したまま乾燥させます。そのまま乾燥させずに、果肉を取り除いてから乾燥させるナチュラルみたいな感じです。

【収穫→果肉除去機(パルパー)で外皮と果肉を取り除く→乾燥させる→寝かせる→脱殻機にかける→生豆】

『特徴』ポジティブ要素
・水をあまり使用しないの汚染問題になりにくい。(※ピンとこないかもですが中南米では深刻な問題です)
ナチュラルよりも欠点豆が少ない。焙煎もしやすいですね。

パルプドナチュラルが多い国は、ブラジルです。ウォッシュドのように欠点豆を減らすことができ、
ミューシレージ(ヌルヌル粘液)を除去する手間を省けるため。ナチュラルからパルプドナチュラルへ変更している国も結構あります。


で!実はコスタリカハニーコーヒーの「ハニープロセス」ってこの「パルプドナチュラル」と
一緒です! 一緒でごわす!



まずは↓の画像を、、、、

上が当店のコスタリカイエローハニー

下がブラジル

要は2つとも同じパルプドナチュラルでされています。

当店で使用してるブラジルアマレロとかフレンチに使っているムンドノーヴォは↑の解説の通りの
精製をし生豆になります。

コスタリカハニーコーヒーはというと

※この図を参考に!


ミューシレージ(ヌルヌル粘液)という甘味の要因になる粘液を意図的に90%残したり 50%残したりします。
ブラジルあたりはそこまで残存率に拘っていません。

じゃぁ「ハニープロセス」って何故言うのか?というと
中米ではヌルヌル粘液(ミューシレージ)のことをミエルと言い、ハニー(蜂蜜)のこともミエルというので、パルプドナチュラル精製されたコーヒーを
いつしか『ハニーコーヒー』と呼び出したわけ!


その中でも、ミューシレージの残存率や糖度によって細かく分かれています
これは以前もご紹介した通り

イエローハニー:残存率50%
レッドハニー:残存率100%
ブラックハニー:残存率100%かつ糖度が高いチェリーを使用


しかしあくまでも農園によって%は変化します。例えば残存率は同じでも乾燥過程で
何回、裏表にしたか?/月 によっての回数で「レット」だ「イエロー」だと読んでいる
からです。


先の問い合わせを纏めると、、、、、



コスタリカの『ハニープロセス』もブラジルでメジャーな『パルプドナチュラル』も一緒の精製方法
で、、、同じ『パルプドナチュラル』の過程で(ヌルヌル粘液)を意図的にどれだけ残存させるかに
拘ったのが「ハニープロセス」。


こんな感じでどうでしょ!

ハニーだからハチミツの風味をつけたとか??は断じてないですよ~~~www