モカの旨いポイント

つくば市並木ショッピングセンターにある自家焙煎コーヒー豆専門店
フレスタプラスあらの珈琲です。


今月のおすすめコーヒー豆は当店のオリジナルブレンド『スリーアフリカン2018ヴァージョン』です。



今期はエチオピア、タンザニア、ケニアのアフリカコーヒー3種のブレンドです。

『またあのコーヒーが飲みたいけど、今年はやらないの?』というリクエストが数人からありました。
有り難いおはなしですよね。これも2018も造ろうとしたきっかけになりました。
さらには、ここ数ヶ月エチオピア『イルガチェフ・ウォッシュド』(※当店でいうラズベリーモカ)の
焙煎の難しさを改めて感じており。。。。(※この銘柄の旨味がでるピンポイント)
さらに今以上に旨味が出せるポイントがあるのでは? ボクの今現在のスキル以上のものがあるのでは?
と特に注力してきた銘柄ですので、、、

今回はこの『イルガチェフ・ウォッシュド』を中心にブレンドを思考しました。
このコーヒー単純にササっと焙煎すればキレイな酸味中心の味です。これはこれで所謂『モカ】です。
しかしもっとピンポイントで焙煎できれば酸味だけでなくもっと複雑にいろんな味わい、香りが楽しめる銘柄
なんです。



↑の画像のような浅煎りだと単純に酸味中心な味わいになります。
若干ネガティブな「渋み」も残りやすいです。
この状態から、、、、↓ ↓ ↓


この状態でもまだまだ酸味だけが前に出てしまう。




ここからが「モカの旨味」を出せるかのポイントです。



※さらに『ひと膨れ』した状態

最大の特徴である『酸味』を『重たい酸味』からさらに『旨味が乗った酸味』に変えるとベリーのような酸味や甘みそして軽やかな喉ごしの爽やかなコーヒーに変化します。


生豆を焙煎によって水分を抜いていき細胞を膨らませていきながら、目標温度の3℃手前から徐々に火加減を
弱めていき、目標温度である187℃に達したらそこから上がりも、下がりもしない状態(187℃のまま温度を
停滞させる)で豆面のシワの伸び、色付きを5秒間隔で観察していきます。するとさらに豆が膨らむ瞬間
あります。この『ひと膨れ』させれるか、、出来ないかで「デリケートな旨味」を出せるか
「平坦な酸味中心の構成のモカ」で終わるかなのです。でもでもこれを口で言うのは、、、、文章で書くのは
簡単ですが、、、やってみるとかなりの高度な技でして、、、ポイントを逃してしまうと特有の「モカフレーヴァー」が消えてしまい。。。。慌てて「もうひと膨れ」まで我慢できないとイマイチです。何度も何度も失敗を繰り返し観察力を磨いていかないとこのスキルは磨かれません。仮にこれを読んだ同業者さんがやってみたところで
この以前の過程を踏んでいなければ無理だとおもいます。



しかし今回はあくまでも『ブレンドコーヒー』です。個性の強いアフリカコーヒーを3種ミックスするとなると
どうバランスをとるか!今回はイルガチェフ・ウォッシュドの他にケニアとタンザニア。
「イルガチェフ・ウォッシュド」の比率を高くするとケニアの酸味が相乗効果を生んでしまいました。

タンザニアの比率を上がることで全体のバランスをとり、イルガチェフ・ウォッシュドのフルーツ感、ケニアの
コクと味の深みが上手く纏まりました。



イルガチェフ・ウォッシュドの比率を下げても『ひと膨れ』させれるようになったことで『旨味あるフルーティな酸味』はしっかりと楽しめます。さらにケニアをブレンドしたことで味全体の深みが出ているとおもいます。
ぜひ一度お召し上がりください。