モカマタリ


フレスタプラスあらの珈琲 焙煎人荒野です。
今日は「モカコーヒー」のお話です。モカは、イエメンに位置する港湾都市です。その昔、イエメン産と対岸に位置するエチオピア産のコーヒー豆を、モカ港から輸出していたため、イエメン産と一部のエチオピア産のコーヒー豆をモカと呼ばれるようになったと言われています。
その中でもイエメン産モカ「モカマタリ」について詳しくお伝えしていきますね
モカ・マタリは、イエメンのバニーマタル地区にある農園で栽培・収穫されたコーヒー豆を指すブランドです。同じモカでも収穫された地域によって名前が異なり、モカ・マタリもそのひとつ。「バニーマタル」が変化して「マタリ」と呼ばれるようになったという説があります。もともとイエメンで採れるコーヒー豆の量が少ないこともあり、モカ・マタリは高値で取引されることの多いブランドです。
さてイエメンときいて、あなたははたしてその正確な所在地を説明できるであろうか?イエメンは日本と同じアジアの一国である。アラビア半島の南のはずれに位置するこの国は我々にとってあまり馴染みの無い国でもある。
しかし、「モカ」と言うコーヒーの名前を聞いたことがある人は数多いでしょ。ここイエメンこそ「モカ・マタリの国」なのであります。また、イエメンこそは世界で初めて「コーヒーを飲む」という文化が生まれた国で、コーヒーの歴史上極めて重要なポジションを占める国です。


「バニーマタル」というのはアラビア語で「雨の子孫達」という意味で、この名の通りバニーマタル地方は雨が降って適度の湿気があり、海抜も2000mぐらいでコーヒーの生育に適している。このバニーマタル地方で採れるコーヒー豆をモカ港から積み出したものが
「モカ・マタリ」となる訳ですよ。


アラビア半島にある国のほとんどは砂漠に属するが、イエメンはめずらしくバラエティーに富んだ地形を持ち、
さまざまな気候が見られる。その地形を示す↓断面図です。いかに変化に富んだ地形であるか、解りやすい。
イエメンは砂漠だけではなく、山岳地帯を持つ国なのですね。




◇では肝心のモカ・マタリの味や香りの特徴はというと、、、、
「フルーツが熟れすぎたような香り」「ワインのような香り」などと形容される独特なフレーバーがあります。ボクも「熟れすぎ」っていうコトバど真ん中だと思います。爽やかさではない!この爽やかでないバランスが「魅惑の香り」と形容されている要因なのかと。。。同じモカでもエチオピアモカとは全くと言っていいほどキャラクターが違う。まさに香りを楽しんでほしいコーヒーです。封を切った後、、日に日に風味が変化していきます。その変化も楽しめるのが「マタリ」です。この豆は焙煎が難しいですがローストがバッチリ出来れば酸味もキレイでその後に甘みとコクが押し寄せ鼻から抜ける香りはなんとも形容し難いフレーバーを感じます。確かに魅惑っちゃ魅惑です。あまり浅いローストだと酸味が前に際だってしまいかえって複雑さに乏しい味になってしまう。ベストは中煎り~中煎りの手前でしょ。ゆっくり時間をかけることでネガティブ要素の「瓦礫」のような酸味のクセが取れます。



◇エチオピアモカとの相違点
エチオピアのコーヒー豆は欠点豆などの混入数によってグレードが決定されます。
欠点豆の混入率が最も少ない格付けがグレード1、以後グレード2という風に数字が増えていきます。
EX:イルガチェフG1とかG2です。



対してイエメン産のコーヒー豆は明確な基準が設けられていないという少し変わった生産国です。
だからイエメン産のスペシャルティコーヒーというものが無い理由でもあるのか?
この辺の謎もいかにもアラブっぽくて、、、ボクには魅力に感じてしまいます。


◇モカマタリの入手が難しい理由
イエメンでは内戦が続いており輸出困難な状況となっている為なかなか品質の良いモノが輸入されにくい現状です。よって高額取引が今でも続いている要因です。場合によっては港にコーヒー豆が揃い輸出するだけの状態のものが、あ輸出許可が出ないために数ヶ月移動できないようなケースもあるようです。日本への輸入量もゼロになっているわけではありませんが、非常に不安点な状況になってます。これらが今でもマタリ=高額取引になっている最大の要因でしょうか。



南米、中南米、東南アジア諸国、ケニアをはじめとするアフリカ等のコーヒー産出国はまだまだ
発展途上の国です。しかし年々コーヒー豆のマーケットが拡大するに従い設備もどんどん近代化
しています。その中にあってイエメンはいまでも石臼で脱穀作業をしている。。。。。。。。。
国内の情勢不安という要因が大だとおもいますが、、、これぞイエメンのコーヒーならではなんでしょうかね。
笑っちゃう位原始的というか、、、でもマタリをカップすると歴史だったり文化だったりアラブを感じてしまう
のはボクだけか、、、、、