エチオピアコーヒー

フレスタプラスあらの珈琲 焙煎人荒野です。前回は魅惑のコーヒー「イエメン モカマタリ」のお話でした。
今回は同じ「モカ」でもエチオピアモカ。エチオピアのコーヒーについてお話を。

コーヒーの樹の原産地はエチオピアと考えられています。その後、アラビアに伝えられたとされています。
コーヒーの始まりには諸説ありますが、エチオピアの羊飼いカルディが、山羊が赤い実(コーヒー豆)を
食べるのを発見し、コーヒーの飲用が始まったとされています。これがエチオピアコーヒーの歴史ですね。



エチオピア産のコーヒーというと、「シダモ」「イルガチェフェ」といった名前が特に有名ですね。これらは産地の名前です。
また「モカ」は厳密に言えばイエメンの都市名なのですが、その昔、イエメン産とエチオピア産のコーヒー豆が一緒に輸出されていたことから、エチオピア産にも「モカ」の名前が付けられたのです。
◇エチオピアにとってコーヒーとは?
エチオピアはアフリカ東部にあり、人口一億人を越える大国です。コーヒー産業がとても盛んで、国民の一割以上が何かしらの経緯でコーヒーの産業に関わっているともいわれているのです。日本でいうところ、街で十軒にひとつ、コーヒー屋さん・農家・カフェのどれかがあると思うと…すごい割合ですよね。それくらい、エチオピアにとってコーヒーは欠かせないものらしいですね。



◇エチオピア産コーヒーの特徴って?
それはやはり「酸味」であり「甘み」そう!『甘酸っぱさ』と「フルーティーな爽やかな香り」です。
コーヒーというと苦みと酸味で区別されることが多いですが、エチオピア産のコーヒー豆は爽やかな味と香りが特徴なのです。また時には『ワイン』であったり『スパイス』のようだとも例えられます。


◇エチオピアコーヒーのローストポイントとオススメの飲み方
エチオピアコーヒーの焙煎は、香りや豆本来の酸味、甘みを楽しむため、「ハイロースト(中煎り)」程度で焙煎しています。しかしある一定の焙煎温度を超えてくるとまた爽やかなモカのフルーティな香りが再び現れ酸味が
穏やかになり逆にコクが増してくるポイントがあります。当店で年に数回販売する『深モカ』です。


エチオピアコーヒーは基本酸味が強いので、ペーパードリップやネルドリップで丁寧に抽出し、
そのままストレートで飲むのがよろしいかと。でもエスプレッソに少量ブレンドすると良い意味で
アクセントになるのでブレンドにはおすすめです。



◇エチオピアコーヒー 品種の不思議
コーヒーの品種(ティピカ、ブルボンなど)は、
風味キャラクターの判断にしばしば用いられますが、エチオピアのコーヒーではこれ通用しませんよ!!
エチオピアのコーヒー農地の多くは自然林であり、つまり原種。古くから交雑が組み合わされた多種類の品種が混ざっているため特定し難いのです。
世界のコーヒー農園が、コーヒーの品種や精製方法などにシステマティックな構造を採用する中、
エチオピアがトップに居続けられるのは逆にこんな奥深さやユニークさを持っているためなのかもしれません。



◇あのゲイシャコーヒーは、、、、
あのお馴染みの『ゲイシャ』エチオピア南西部にある村の名前で、そこで育てられていたコーヒー豆にその名がつけられました。厳密には「ゲシャ」と発音します。
「ゲイシャ」もエチオピアのコーヒー原生林から発見されたもので、生産性の低いこの品種を試しに植えたのがそのまま放置され、
ある時南米「パナマ」その豆を再評価したところ、一躍世界一ロットになってしまったのです。

もしかしたらエチオピアには、まだまだそんな宝物がまだたくさんあるのかもしれませんね。