毎年恒例の 「パナマゲイシャ」をお復習いの意味で、、、

つくば市フレスタプラス@あらの珈琲 焙煎人荒野です。今日は毎年恒例の
「パナマゲイシャ」をお復習いの意味で、、、

ゲイシャ種というとパナマのイメージが強いのは、原産地がエチオピアにもかかわらず、実際に
ゲイシャ種がここまで有名になったのはパナマだからですね。


◆パナマに届いたゲイシャ
エチオピア原産のゲイシャ種がパナマに持ち込まれたのは、1963年。きっかけは、1950年代に
IICA(米州農業協力機構)が中米のコーヒー産業振興のため、ゲイシャも含めて多種のコーヒー
豆をコスタリカの研究所に持ち込んだためと言われています。
その後、パナマコーヒーの父親ともいわれる「ドンパチ農園」が、コスタリカからゲイシャ種を
持ち込みました。これがパナマ初のゲイシャだと言われています。その後、パナマ政府がゲイシャ
種を農園に無料配布した結果、パナマ国内で広まっていったようです。


◆消え去ったゲイシャ
パナマ国内で広まったように思えたゲイシャですがゲイシャは収穫量が少なく、非効率的と見放さ
れて消え去りました。パナマではカツーラやカツアイといった高収穫量の品種によって、広まりつ
つあったゲイシャ種が埋もれてしまったのです。


◆世界を驚かせた「ゲイシャショック」


ゲイシャの名は世界から一度忘れられた存在となりましたが、2004年“再発見”される機会がやってきました。
それが、パナマのエスメラルダ農園が品評会に出したゲイシャ種です。
品評会で取り上げられるや否や、ゲイシャ種の持つジャスミンに例えられるユニークな個性は、一気に世界に
名を轟かせたのです。 これが業界一部で言われる「ゲイシャショック」!

ゲイシャショックの背景には2つの要因があります。1つは2001年からパナマでコーヒーの品評会
「ベストオブパナマ」を開催し、一躍ゲイシャ種が認められ、高品質へと歩み始めたこと。これは、
スペシャルティコーヒーの生産を後押しすることにもなっていきます。

そして、2つめ当時のパナマコーヒーへの評価です。当時のパナマコーヒーは高品質であったものの、
個性が弱く平凡だと評価されていたのです。そのため、ゲイシャの強烈な個性は、大きなギャップと
なってショックをより強めたのです。

今日も続く、ゲイシャ伝説
その後の品評会(ベスト・オブ・パナマ)では、エスメラルダ・ゲイシャ一強の時代が続き、2007年には
「1ポンド=$130(1kg≒3万円)」で、世界最高落札価格を更新しました。
このようにして、ゲイシャが神格化されたかのように、一気に高評価な品種として扱われるようになったのです。



◆全てのゲイシャが美味しいのか?
今日では「ゲイシャ種=美味しい」という神話めいた存在のコーヒー豆ですが、「ゲイシャ種であれば全て美味しい」とは言い難い部分があります。

なぜならゲイシャにも適した気候があり、またどれほど丁寧に育てるかでも大きく変わってきます。エスメラルダ農園はじめパナマの名だたる農園のゲイシャが美味しい理由は、気候と栽培技術が確かなものだからです。

いくらゲイシャとはいえ、産地が違えばワインのテロワールではありませんが全くといっていいほど
別モノです。パナマゲイシャが高価な要因は、風味だけではなく希少性もあります。コーヒー好きな
人を相手にプレゼントや特別なひと時を考えたとき、ゲイシャというチョイスは見逃せません。

なかなか手を出しづらいでしょうが、一度飲んでみる価値はかなりあります。今までのコーヒーに対する
世界観はあなたに新しい発見をもたらせてくれることでしょう。



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