「コモディティコーヒー豆の価格はどう決まるのか?」の続編。

つくば市フレスタプラス@あらの珈琲 焙煎人荒野です。



今日は前回のブログ「コーヒー豆の価格はどう決まるのか?」の続編です。
※前回の記事はコチラです。


■必ずしも需要と供給だけでコモディティコーヒー豆の相場は決まらない
この先物取引所ですが、必ずしも需要と供給の関係だけでコモディティコーヒー豆の値段が決まるわけではありません。一般的にはコーヒー豆が欲しいという人が多くて、コーヒー豆の生産が少ないと、需要が多くて供給が少ないので値段は上がります。逆にコーヒー豆が欲しいという人が少なくて、コーヒー豆の生産が多いと、
需要が少なくて供給が多いので値段は下がります。(これはコーヒーに限ったことではないでよね。。格付けワイン然り!)しかし、特にコーヒー豆が欲しいというわけではないんだけど“投資物件”として取引所に参加する人もいます。 例えば今後は地球温暖化の影響でコーヒー豆の生産が少なくなると投資家の人が将来を予測した場合に、実際にはどうなるか分からないけど今のうちにコーヒー豆を買ってしまおうという人が出てくるかもしれません。 所謂この構造が先物取引なんですね。



その場合には、実際の需要と供給とは関係なしに、コモディティコーヒーの先物市場の値段が決定してしまいます。コーヒーに限らず、このような投機目的による農産物の値段が決まってしまうことは度々問題になっています。 ※飼料に使うトウモロコシとか大豆とかですね。このようにコモディティコーヒーの先物値段は日々変動しています。さらにコモディティコーヒーの取引はドルで行われるので、日本にそのコモディティコーヒーを輸入する際には、円に戻して換算する必要もあるので、為替相場の影響も大きく受けます。




■コモディティコーヒーは等級付けに応じて値段が決まる

コモディティコーヒーは全てコーヒー豆ということで一括りにされているわけではないんです。どの国で収穫されたか、その中でもどのタイプのコーヒー豆なのかなどによって等級付けされていきます。コロンビアやアフリカでは粒の大きさで等級が分かれていますし、グァテマラを初めとする中南米のコーヒー豆は収穫された標高の高さで
比較されます。
現在はこの等級付けに応じてコモディティコーヒーの値段が決定するシステムになっているんですね。






■プレミアムコーヒー、スペシャルティコーヒーとコモディティコーヒーとの違い

コモディティコーヒーは今までご説明した通り、先物市場で需要と供給の関係や投機的な動きによって値段が決定します。一方、当店はじめコーヒー専門店の多くが使用しているプレミアムコーヒーやスペシャルティコーヒーは
(※お店によってコモディティコーヒーを使用しているので一概には言えませんが・・・)コーヒー豆の品質に応じて値段を決定しようとしています。 市場の価格と連動することはなく、品質の高いコーヒー豆を作ればその分値段が上がる仕組みになっています。


プレミアムコーヒーやスペシャルティコーヒーの特徴として、トレーサビリティが明確になっていることがあります。これは生産者の顔が見える形で、生産、加工、流通までその流れがしっかりと見える形になっています。そのためによりコーヒー豆の品質が向上します。 世界に流通しているコーヒー豆の95%がコモディティコーヒーであり、残りの5%がスペシャリティコーヒーです。そのためにスペシャリティコーヒーでは生産量が少ないので、大規模な宣伝やマーケティング活動をすることができません。しかしここ数年のコーヒーブームの影響もあり高品質なコーヒー豆を使用するためにスペシャリティコーヒーを使用するお店も増えてますね。