世界でもっとも注目され続けてスペシャルティコーヒー「ゲイシャ」とは?


これだけメジャーなコーヒーになっても、、まだまだゲイシャと聞くと、日本人がまずイメージをするのは「芸者」ではないでしょうか?しかし、荒野のブログで紹介するゲイシャとはコーヒー豆の一種で、世界でもっとも注目され続けてスペシャルティコーヒーの一つです。

◆原産地はエチオピア
ゲイシャ種は、もともとエチオピアのゲシャという地域に自生していたことからゲシャ種と呼ばれていましたが、やがてゲイシャ種として知られるようになりました。名前の由来には他にも、現地に出入りした日本人業者が「ゲイシャ」と聞き間違えたという説もあります。(ホントかっ!?)


しかしゲイシャ種、「ゲイシャコーヒー」というとパナマのイメージが強いのは、原産地がエチオピアにもかかわらず、実際にゲイシャ種がここまで有名になったのはパナマだからですね。この品種は病気に弱く、樹高が4m近くもあって栽培の難しいコーヒー豆です。さらに収穫量が少ないこともあり、長い間、コーヒー農園からは生産には不向きと敬遠されてきました。

また、ゲイシャ種は栽培が難しく収穫量の少ないため、希少価値の高いコーヒー豆であるということも大きな理由でしょう。多くのコーヒー農園がゲイシャ種の栽培をしてこなかったため、苗自体の数が少ないということも考えられます。



◆パナマに届いたゲイシャ
エチオピア原産のゲイシャ種がパナマに持ち込まれたのは、1963年。きっかけは、1950年代にIICA(米州農業協力機構)が中米のコーヒー産業振興のため、ゲイシャも含めて多種のコーヒー豆をコスタリカの研究所に持ち込んだためと言われています。その後、パナマコーヒーの父親ともいわれる「ドンパチ農園」が、コスタリカからゲイシャ種を持ち込みました。これがパナマ初のゲイシャだと言われています。その後、パナマ政府がゲイシャ種を農園に無料配布した結果、パナマ国内で広まっていったようです。


◆消え去ったゲイシャ
パナマ国内で広まったように思えたゲイシャですが収穫量が少なく、非効率的と見放されて消え去りました。パナマではカツーラやカツアイといった高収穫量の品種によって、広まりつつあったゲイシャ種が埋もれてしまったのです。




◆世界を驚かせた「ゲイシャショック」
ゲイシャの名は世界から一度忘れられた存在となりましたが、2004年“再発見”される機会がやってきました。それが、パナマのエスメラルダ農園が品評会に出したゲイシャ種です。品評会で取り上げられるや否や、ゲイシャ種の持つジャスミンに例えられるユニークな個性は、一気に世界に名を轟かせたのです。 これが業界一で今でも語り継がれる「ゲイシャショック」!です。


ゲイシャショックの背景には2つの要因があります。
①2001年からパナマでコーヒーの品評会「ベストオブパナマ」を開催し、一躍ゲイシャ種が認められ、高品質へと歩み始めたこと。その後のスペシャルティコーヒーの生産を後押しすることにもなっていきます。

②2つめ当時のパナマコーヒーへの評価です。当時のパナマコーヒーは高品質であったものの、個性が弱く平凡だと評価されていたのです。そのため、ゲイシャの強烈な個性は、大きなギャップとなってショックをより強めたのです。



今日も続く、ゲイシャ伝説
その後の品評会(ベスト・オブ・パナマ)では、エスメラルダ・ゲイシャ一強の時代が続き、2007年には「1ポンド=$130(1kg≒3万円)」で、世界最高落札価格を更新しました。このようにして、ゲイシャコーヒーが神格化されたかのように、一気に高評価な品種として扱われるようになったのです。これは現在も変わりません。



◆全てのゲイシャが美味しいのか?
今日では「ゲイシャ種=美味しい」という神話めいた存在のコーヒー豆ですが、「ゲイシャ種であれば全て美味しい」とは言い難い部分があります。

なぜならゲイシャにも適した気候があり、またどれほど丁寧に育てるかでも大きく変わってきます。エスメラルダ農園はじめパナマの名だたる農園のゲイシャが美味しい理由は、気候と土壌、品種改良、栽培技術が確かなものだからです。

いくらゲイシャとはいえ、産地が違えばワインのテロワールではありませんが全くといっていいほど別モノです。
仏ブルゴーニュ地方の「ピノノワール」と他生産国「ピノノワール」の絶対的違いと同じように・・・


パナマゲイシャが高価な要因は、風味だけではなく希少性もあります。コーヒー好きな人を相手にプレゼントや特別なひと時を考えたとき、ゲイシャというチョイスは見逃せません。

コーヒーというカテゴリーにおいてなかなか手を出しづらいかもですが、一度飲んでみる価値はかなりあります。今までのコーヒーに対するあなたの世界観に新しい発見があるハズだから!!





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