ワイン樽「バリック」とは・・
- ワインの知識
- 2023年01月13日

バリック(Barrique)とは・・・・
ブランス・ボルドー地方やコニャック地方にてワインを熟成させるために使われる、小型の樽のことです。かつては輸送にも使われており、またこの樽を使用することでワインに加わる樽の香りを指す場合もある。
バリックの内容量はボルドーでは225リットル、コニャックでは300リットル。素材はフレンチオーク(樫)やアメリカンオーク(樫)を使用して作られます。
一方、バリックよりも大きな樽「大樽」と呼ばれるものもありますが、これはサイズがまちまち。450L、500L、1800L、2000L、2400Lなど様々。。
「小樽」といっても、結構な大きさがあり、その重量は新樽で約50㎏。
使い古しの樽になると、水分を吸ってさらに重くなります。

タマにこういう規格外の人もいますが・・・笑。
■小型の樽(バリック)の特長
小型の樽で熟成させると、熟成期間を短縮したり、色素を安定させてワインの色を濃くしたりできる。このため、バリックを使用する生産者が増加したという経緯があります。
バリックは、ワインに樽の香り(バリック香)が加わるため、独特の香りを生み出す。さらに、オークに含まれるタンニンなどが溶け出し、ワインに力強さや絶妙な風味をもたらす効果がある。新しい樽ほど、香りやタンニンが多く抽出されるので、ボルドーやブルゴーニュ地方の高級ワインは、新樽を多く使用していますね。
その「多く」と述べましたが、これは後からブレンドするということです。例えば、新樽バリックで1樽、古樽バリックで1樽熟成して、その後ブレンドして瓶詰をしたとすると、「新樽比率50%」となるのです。
当然ながら新樽としては使えるのは1回です。毎回新しいものを購入する必要があります。これがなかなかの金額で、新樽バリック1つでおよそ10万円と言われています。まぁこの辺もワインの価格に反映されていますよね。
さらに永久に使えるわけでなく樽にも寿命があり3年程使用すると、香りなどの効果が薄れるため、古樽としてブランデーやウイスキーの醸造所に売却されたり、バルサミコ酢の熟成に使用されたりします。

因みにブルゴーニュでは樽のことを「ピエス」と呼ばれています。
左側のがブルゴーニュの伝統的なワイン樽で、228リットル入るのが標準サイズです。
右側のは、ボルドーの樽「バリック」で、こちらは225リットル入るサイズ。